ジムニーのホイール選びという、広大で果てしないジャングルで、道に迷っていませんか?
はじめまして!
前回のタイヤ選びの記事を読んでくださった方、ありがとうございます。
前回の記事 【ジムニータイヤ選び完全ガイド】街乗り重視で後悔しないための全知識&おすすめ5選
さて、最高のタイヤを手に入れた(あるいは、これから手に入れる)あなたが次に向かうのは、そう、「ホイール選び」という名の、新たな冒険です。
しかし、その冒険の書を開くと…
「インセット…P.C.D…J数…」
謎の呪文が並び、そっと本を閉じかけた…なんて経験、ありませんか?
大丈夫。かつての私も、専門用語アレルギーで、3日間も違うサイズのホイールを探し続けた、正真正銘の元・迷子です。
この記事は、そんな過去の私と同じように、恐怖と混乱の中にいるあなたのためだけに書いた「日本一親切な冒険ガイド」。
読み終える頃には、あなたは専門用語という呪文を使いこなし、自信と楽しさを持って、あなたのジムニーにふさわしい最高のホイールを選べるようになっています。
ちなみに、この冒険で最も重要な「合言葉」は…139.7
です。 さあ、この数字を胸に、一緒に冒険を始めましょう!
第0章:冒険の準備~3つの呪文を世界一やさしく翻訳します
本章に入る前に、まずあなたの冒険を妨げる3つの呪文を翻訳し、無力化してしまいましょう。
ここさえ乗り越えれば、ホイール選びは9割成功したようなものです。
呪文①:インセット(INSET/オフセット)- ホイールの「立ち位置」のこと

これが一番ややこしい呪文ですね。一言で翻訳します。
インセットとは、ホイールの「立ち位置」です。
- **プラス(+)の値が大きいほど → 「内股」**になり、ホイールが車体の内側に引っ込みます。
- **マイナスの値(-)になるほど → 「ガニ股」**になり、ホイールが車体の外側に出てきます。
ジムニー(JB64)の純正ホイールは「+22」。 ここを基準に、数字が小さくなるほど外側に出てきて、見た目が「ツライチ」に近付きカッコよくなりますが、やりすぎるとフェンダーからはみ出して車検NG(ハミタイ)になる、というわけです。
呪文②:P.C.D.と穴数 – ジムニー乗りだけの「合言葉」
これも簡単です。
P.C.D.と穴数とは、ジムニー乗りとホイールを繋ぐ「合言葉」です。
ジムニーの合言葉は「P.C.D. 139.7mm の 5穴」。
この数字が違うホイールは、そもそもあなたのジムニーに取り付け穴が合わず、装着できません。
シャツのボタンとボタン穴の間隔が違うようなものです。
幸い、ジムニー専用ホイールは、ほぼ全てこの合言葉に対応しているので、安心してください。
呪文③:J数(リム幅) – タイヤとの「相性」のこと
最後にJ数(ジェイすう)。
J数とは、ホイールの幅のこと。タイヤという「具」を挟む、「パン」の幅だとイメージしてください。
太いタイヤ(具)には、太いホイール(パン)が必要になります。
純正ホイールは5.5J。定番カスタムサイズの185/85R16のタイヤを履かせるなら、5.5Jか6.0Jのホイールを選ぶのが、最高の「サンドイッチ」を作るコツです。
さあ、これでもう呪文は怖くありません。いよいよ本章、最高のホイールを見つける旅に出ましょう!
本章:失敗しないための「3つのコツ」で最高のホイールを見つけよう
スペックの呪縛から解き放たれた今、ホイール選びは最高の遊びに変わります。
この3つのコツに沿って、あなたの「好き」を見つけていきましょう。
コツ①:「見た目」から入るのが正解!デザインタイプ別おすすめホイール図鑑
初心者はスペックではなく、見た目から入るのが大正解!まずはどんなデザインがあるのか、見ていきましょう。
- 1. 王道の「スポーク」タイプ ホイールの中心から放射状にスポークが伸びる、最もオーソドックスで人気のデザイン。スポーティーにもワイルドにもなれます。
- 代表例: RAYS A-LAP-J, JAOS EXCEL JX3

- 2. レトロな「ディッシュ」タイプ お皿のような円盤状のデザイン。クラシックで、どこか懐かしい雰囲気を醸し出します。

- 3. おしゃれな「メッシュ」タイプ スポークが網の目のように組み合わさったデザイン。繊細で、都会的な印象になります。
- 代表例: WORK CRAG GALVATRE

- 4. 無骨な「鉄チン(スチール)」 あえてのスチールホイール。その無骨さと、アルミにはない独特の質感が、逆に新鮮でカッコいいと大人気です。
- 代表例: 各社から出ている無骨なデザインのスチールホイール

コツ②:「色」で決める!ボディカラー別・印象激変シミュレーション
ホイールは「色」でクルマの印象を180度変えることができます。
- 定番の「マットブラック」 足元がグッと引き締まり、どんなボディカラーにも似合う万能色。迷ったらコレ。

- 上品な「ブロンズ」 玄人感が出て、オシャレ度が格段にアップ。カーキやベージュ系のボディカラーと相性抜群。

- クリーンな「ホワイト」 レトロでクリーンな印象に。純正のスチールホイールを白く塗るDIYも人気です。

コツ③:「素材」を知る!スチールとアルミ、あなたに合うのはどっち?
比較項目 | スチールホイール(鉄チン) | アルミホイール |
価格 | ◎ 安い | △ 高い |
重さ | △ 重い(燃費に影響) | ◎ 軽い(走りが軽快に) |
デザイン | △ 限られるが、味がある | ◎ 豊富 |
強度 | ◎ 頑丈で歪んでも直しやすい | △ 強い衝撃で割れることも |
選ぶなら | コストと無骨な雰囲気重視 | デザインと走行性能重視 |
実践編:後悔しないための最終チェックリスト
さあ、欲しいホイールのイメージは固まってきましたか?
最後に、購入ボタンを押す前に、あなたの冒険を成功に導くための最終チェックです。
【最重要】総額いくら?タイヤ&ホイール交換「全コスト」まるわかりシミュレーター
私が一番驚いたのが、これです。ホイール交換は、本体代だけでは終わりません。
費用項目 | ネット購入+持ち込み | カー用品店で購入 |
ホイール本体 | 約80,000円 | 約90,000円 |
タイヤ本体 | 約50,000円 | 約60,000円 |
交換工賃 | 約8,000円 | サービス or 安い |
ホイールナット | 約5,000円 | 約5,000円 |
合 計 | 約143,000円 | 約155,000円 |
*ネット購入vs店舗購入の総額コスト比較シミュレーション表。ホイール4本8万円、タイヤ4本5万円と仮定
覚えておいてください: 本体価格だけでなく、交換工賃や、意外と忘れがちな「ホイールナット」代も必要です。社外ホイールは、純正ナットが使えない場合がほとんどですよ!
【実録】ジムニーホイール選び、よくある失敗パターン3選
私が危うく陥りそうになった、先人たちの失敗談です。
- 失敗①:インセットの計算を間違え、ハンドルを切ると内側に当たる 「ツライチにしたい!」と意気込みすぎ、計算を間違えて購入。結果、タイヤハウスの内側に干渉し、泣く泣く売却…。
- 失敗②:P.C.D.の確認を怠り、そもそも装着できない デザインだけで激安ホイールに飛びついた結果、ジムニーの「139.7」ではなく、普通車用の「114.3」だった…。
- 失敗③:ホイールナットの準備を忘れ、交換当日に慌てる ホイールとタイヤだけを持ってお店に行き、「ナットはご準備されてますか?」と聞かれ、真っ青に。
【Q&A】初心者の素朴な疑問、すべて答えます
- 結局、どこで買うのが一番いいの?
安心を取りたいなら、タイヤ館やカー用品店などの実店舗がおすすめです。手間をかけてでも安くしたいなら、ネットで買って持ち込み交換に対応してくれるお店を探すのが良いでしょう。
- ホイール交換したら、乗り心地は変わる?
変わります。一般的に、軽量なアルミホイールにすると、走り出しが軽快になり、路面の追従性が良くなる(乗り心地が良く感じる)と言われています。
- センターキャップって必要?
なくても走行に問題はありませんが、あると見た目がグッと引き締まります。ホイールのデザインに合わせて選びましょう。
まとめ:ホイール選びは、あなたの「好き」を表現する最高の遊びだ

ここまで長い冒険にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。 もう、あなたは専門用語の呪文に惑わされる、ただの初心者ではありません。
完璧なホイールなど、存在しません。 ある人にとっては最高のホイールも、別の人にとってはそうではない。 だからこそ、ホイール選びは面白いのです。
ホイール選びとは、スペックを選ぶことではありません。
あなたの「好き」という気持ちを、ジムニーを通して表現する、最高の遊びなのです。
さあ、この記事をスマホの「お気に入り」に入れて、今夜はInstagramで「#ジムニーホイール」と検索してみましょう。 スペックのことは一旦忘れて、ただただ「好き!」と思えるデザインを探してみてください。
それが、あなたの冒エンの、最も楽しく、最も重要な第一歩です。
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あなたのジムニーが、あなただけの最高の輝きを放つことを、心から願っています!