ジムニーのタイヤ選びという、広大で果てしないジャングルで、道に迷っていませんか?
はじめまして!
前回の記事では「乗り心地改善」についてお話ししましたが、その中で最も重要なパーツが「タイヤ」でした。
しかし、いざタイヤを選ぼうとすると…
「AT?MT?HT?…何かの暗号か?」
「オープンカントリーとジオランダー、みんな勧めてるけど、違いが分からん!」
「サイズも色々あるし、値段もピンキリ…。もう、考えるのが面倒くさい!」
…かつての私が、そうでした。 3週間、毎晩スマホでレビューを読み漁っては、ため息をつく日々。
この記事は、そんな過去の私と同じように「タイヤ情報迷子」になっている、あなたのためだけに書いた「日本一親切な教科書」です。
難しい専門用語は一切使いません。
この記事を読み終える頃には、あなたはジャングルを抜け出し、「これだ!」と自信を持って、あなたのジムニーにふさわしい最高の1本を選べるようになっています。
ちなみに、結論を急ぐ方へ。 街乗り重視の初心者は、この2つのタイヤから考えれば、まず間違いありません。
- TOYO オープンカントリー R/T
- YOKOHAMA ジオランダー X-AT
この記事では、なぜこの2つが鉄板なのかも含め、じっくり解説していきますね。
今さら聞けない!ジムニータイヤ選び、3つの基本用語を「翻訳」します

まず、誰もが最初につまずく「AT/MT/HT」という暗号。 これを、分かりやすく3人のキャラクターに「翻訳」してみました。
① バランス派の優等生「AT(オールテレーン)」

AT
💬「僕はAT!街乗りも快適だし、たまのキャンプや河原遊びくらいなら全然へっちゃらさ。見た目もちょいゴツでカッコいいだろ?初めてのタイヤ交換で、まず僕を選んでおけば間違いないよ!」
- メリット: 街乗りでの快適性と、そこそこの悪路走破性を両立。見た目も良い。
- デメリット: 特化した性能はない。本格オフロードには不向き。
- こんな人におすすめ: 街乗り9割、週末アウトドア1割という、ほとんどのジムニーオーナー。
② 見た目重視のワイルド番長「MT(マッドテレーン)」

MT
💬「俺様はMT!見てくれよ、このゴツゴツのブロックパターン!泥道や岩場こそが俺のステージだぜ。乗り心地?騒音?そんな軟弱なこと気にするやつは、俺を選ぶ資格はねぇ!」
- メリット: 圧倒的な悪路走破性。ワイルドで迫力のある見た目。
- デメリット: 街乗りではロードノイズが大きく、乗り心地も硬い。燃費も悪化しがち。
- こんな人におすすめ: 頻繁に本格的なオフロード走行を楽しむ、上級者。
③ 快適性No.1の都会派「HT(ハイウェイテレーン)」

HT
💬「わたくしはHTと申します。舗装路での静粛性と乗り心地こそが、わたくしの得意分野。燃費にも優しく、あなた様の毎日の通勤を、それはもう快適なものにしてみせましょう。」
- メリット: 乗用車並みの静粛性と乗り心地。燃費が良い。
- デメリット: 悪路走破性はほぼ皆無。見た目も大人しい。
- こんな人におすすめ: 100%街乗りで、ジムニーをSUVとして快適に乗りたい人。
もうお分かりですね? 我々のような初心者・街乗りメインのオーナーは、まず「①バランス派のATタイヤ」の中から選ぶのが王道です。
これだけは押さえよう!タイヤサイズの「2つの掟」
次に悩むのがサイズ。でも、覚えるのはたった2つでOKです。
掟①:純正サイズ「175/80R16」は、すべてにおいて優等生
納車時に履いているサイズです。燃費、乗り心地、静粛性のバランスが最も良く、もちろん車検も100%OK。迷ったらこのサイズを選んでおけば、まず失敗はありません。
掟②:定番カスタムサイズ「185/85R16」は、少し背伸びしたオシャレ
純正より一回り大きく、太いサイズです。
- メリット: 見た目の迫力がアップ。車高が約1.5cm上がる。
- デメリット: 燃費が少し悪化。メーターに若干の速度誤差が出る。車体への干渉リスクがゼロではない。
- 注意: 基本的に純正車高でも履けますが、タイヤの銘柄や個体差によっては、ハンドルを全開に切った時にわずかに干渉する可能性も。
初心者は、まず「掟① 純正サイズ」から検討するのが安心です。

【徹底比較】街乗りジムニーにおすすめのタイヤBEST5
さあ、いよいよ本題です。 私が実際に調べ尽くし、友人たちの評判も加味した上で、街乗りジムニーにおすすめのATタイヤを5本厳選しました。
「①乗り心地」「②静粛性」「③燃費」「④見た目」の4つの軸で評価していきます。
No.1:TOYO オープンカントリー R/T

評価項目 | 評価(★5段階) |
①乗り心地 | ★★★★☆ |
②静粛性 | ★★★☆☆ |
③燃費 | ★★★☆☆ |
④見た目 | ★★★★★ |
💬 こんな人におすすめ: 「乗り心地も大事だけど、やっぱり見た目のゴツさも譲れない!」という、欲張りなあなたに。
もはや説明不要の人気No.1タイヤ。MTタイヤのようなゴツいショルダーデザインと、ATタイヤの快適性を両立した「R/T(ラギッドテレーン)」という新しいジャンルを確立しました。ホワイトレターも人気の秘訣。迷ったら、まずコレを候補に入れるべき一本です。
No.2:YOKOHAMA ジオランダー X-AT

評価項目 | 評価(★5段階) |
①乗り心地 | ★★★★☆ |
②静粛性 | ★★★★☆ |
③燃費 | ★★★★☆ |
④見た目 | ★★★★☆ |
💬 こんな人におすすめ: 「見た目もいいけど、毎日のことだから静かさや快適性も重視したい」という、堅実なあなたに。
オープンカントリーの永遠のライバル。アグレッシブな見た目ながら、静粛性や乗り心地の評判が非常に高く、快適性と見た目のバランスが最も優れていると評する声も多いです。燃費性能も良好で、まさに街乗り派のためのATタイヤと言えます。
No.3:TOYO オープンカントリー A/T III

評価項目 | 評価(★5段階) |
①乗り心地 | ★★★★★ |
②静粛性 | ★★★★★ |
③燃費 | ★★★★☆ |
④見た目 | ★★★☆☆ |
💬 こんな人におすすめ: 「見た目のゴツさより、毎日の快適性が最優先!でも、週末にちょっとした砂利道くらいは走りたい」という、賢い選択をしたいあなたに。
オープンカントリーシリーズの「隠れた名作」との呼び声も高い、オンロード性能重視のATタイヤです。R/TやX-ATに比べると見た目は大人しいですが、その分、乗り心地の良さと静粛性はATタイヤの中でトップクラス。高速道路での安定性も抜群で、長距離移動が多い方には最高の選択肢となります。「派手さはいらない、本当に質の良いものを知っている」…そんな”通”な雰囲気を醸し出せる一本です。
No.4:DUNLOP グラントレック AT5

評価項目 | 評価(★5段階) |
①乗り心地 | ★★★★★ |
②静粛性 | ★★★★☆ |
③燃費 | ★★★★☆ |
④見た目 | ★★★☆☆ |
💬 こんな人におすすめ: 「みんなと同じじゃつまらない。信頼できる国内メーカーの最新モデルで、安定した性能が欲しい」という、新しもの好きなあなたに。
ダンロップが誇るグラントレックシリーズの最新世代ATタイヤ。特徴は、雨の日のウェット性能の高さ。濡れた路面でもしっかりグリップしてくれる安心感は、天候が変わりやすい日本の道路事情に最適です。乗り心地も非常にマイルドで、デザインも現代のSUVに似合うシャープなもの。TOYOやYOKOHAMAという二大巨頭以外の、信頼できる選択肢を探しているなら、まず検討すべき優等生タイヤです。
No.5:BRIDGESTONE デューラー H/L 850Ⅱ

評価項目 | 評価(★5段階) |
①乗り心地 | ★★★★★+ |
②静粛性 | ★★★★★+ |
③燃費 | ★★★★★ |
④見た目 | ★★☆☆☆ |
💬 こんな人におすすめ: 「ジムニーの見た目は好きだけど、乗り心地は高級SUVそのものがいい!オフロードには絶対に行かない」と、完全に割り切れるあなたに。
ここで一つ、究極の選択肢を。これはAT(オールテレーン)ではなく、HT(ハイウェイテレーン)に分類されるSUV専用のプレミアムタイヤです。ジムニーらしいゴツさは無くなりますが、その代わりに手に入るのは、他のATタイヤとは一線を画す、圧倒的な静粛性と快適性。まるで高級セダンに乗っているかのような感覚に、きっと驚くはずです。助手席の奥様やご家族から、最も喜ばれるのは間違いなくこの一本。ジムニーとの付き合い方に、新しい価値観を与えてくれるタイヤです。
【頂上決戦】オープンカントリーR/T vs ジオランダーX-AT、あなたに合うのはどっち?
最も悩むであろう2本を、さらに深掘りして比較します。
比較項目 | TOYO オープンカントリー R/T | YOKOHAMA ジオランダー X-AT |
見た目 | ワイルドでゴツゴツ感が強い | シャープでスタイリッシュ |
静粛性 | ややロードノイズあり | 非常に静か |
乗り心地 | マイルド | よりマイルドで乗用車ライク |
決め手 | 見た目のインパクト・所有欲 | トータルバランス・快適性 |
選ぶなら | 見た目重視のロマン派 | 快適性重視の現実派 |
【最重要】総額いくら?ジムニータイヤ交換「全コスト」まるわかりシミュレーター
「タイヤ代だけで判断すると、レジで腰を抜かしますよ!」 これは、私が先輩から頂いた金言です。タイヤ交換には、本体代以外にも様々な費用がかかります。
費用項目 | ネット購入+持ち込み | カー用品店で購入 | 備考 |
タイヤ本体(4本) | 約50,000円 | 約60,000円 | ネットの方が安い傾向 |
交換工賃 | 約8,000円 | 約4,000円 | 持ち込みは工賃が割高に |
バルブ交換 | 約1,200円 | 約1,200円 | |
廃タイヤ処理料 | 約1,600円 | 約1,600円 | |
合 計 | 約60,800円 | 約66,800円 | 手間と価格のバランスで選ぼう |
ポイント: ネット購入は安いですが、店舗を探したり、タイヤを運んだりする手間がかかります。初心者は、少し割高でもカー用品店などで全部お任せするのが安心かもしれません。
【実録】私が体験した、ジムニータイヤ選び「よくある失敗パターン3選」
私が危うく陥りそうになった、そして友人たちが実際に体験した失敗談です。これを読んで、賢く失敗を回避してください。
- 失敗①:見た目だけで「MTタイヤ」を選び、毎日のロードノイズに泣く 友人は「見た目が一番!」とMTタイヤを選びましたが、3ヶ月後、「高速道路で音楽が聞こえない…」と泣く泣くATタイヤに買い替えていました。
- 失敗②:サイズの知識なく「ハミタイ」で車検NGに ネットで見たカッコいいジムニーを真似て、太いタイヤとオフセットの違うホイールを選んだ結果、タイヤがフェンダーからはみ出す「ハミタイ」状態に。結局、車検のために純正に戻す羽目に…。
- 失敗③:ネットの激安タイヤに手を出し、「安物買いの銭失い」 相場より明らかに安い無名ブランドのタイヤは、製造年が古かったり、ゴム質が悪くてすぐにひび割れたりするリスクがあります。タイヤは命を乗せるパーツ。信頼できるメーカー品を選びましょう。
まとめ:最高のタイヤは、あなたのジムニーライフを映す鏡

長い冒険、お疲れ様でした。 ジムニーのタイヤ選びが、いかに奥深く、そして楽しいものか、感じていただけたでしょうか。
この記事を通して私が伝えたかったのは、ただ一つ。 「完璧なタイヤは、存在しない」ということです。
乗り心地、静粛性、燃費、見た目、価格…すべてを100点で満たすタイヤはありません。 だからこそ、あなたが何を大切にし、何を妥協するのか、自分の価値観と向き合うことが、タイヤ選びの本質なのです。
最高のタイヤとは、スペックが最も優れているものではなく、あなたのジムニーライフという鏡に映った時、最も輝いて見える一本のこと。
さあ、この記事をスマホの「お気に入り」に入れて、まずはあなたのジムニーのタイヤをじっくり眺めてみてください。 そして、「乗り心地」と「見た目」、どちらを優先したいか、自分の心に聞いてみましょう。
それが、後悔しないタイヤ選びの、最も重要な第一歩です。
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あなたのジムニーが、最高のタイヤとめぐり逢えることを、心から願っています!